2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791476
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大郷 友規 Fukuoka Dental College, 歯学部, 助教 (70435121)
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Keywords | 老化促進マウス / 老年性骨粗鬆症 / 変化性顎関節症 / 骨形態計測 / 骨性状 / 歯槽骨 / 顎関節軟骨下骨 |
Research Abstract |
平成19年度の研究実施計画に挙げた老化促進マウスの中で老年性骨粗鬆症モデルマウス(以下SAMP6)と変形性顎関節症自然発症マウス(以下SAMP8)を用いて組織標本を作製し下顎骨および大腿骨における骨形態計測学的解析、さらに大腿骨での力学的解析(3点曲げ試験)を遂行した。この研究を行う意義は、骨粗鬆症または変形性関節症を発症した患者、実験動物の整形外科領域である大腿骨、腰椎等において組織学的研究や遺伝的、生化学的研究の数多くの調査、解析が進んでいるが、歯科領域の顎骨特に歯槽骨および顎関節軟骨下骨の遺伝的、生化学的研究はもちろん組織学的研究でもほとんど調査、解析といった報告がないという点である。今年度における研究成果は、SAMP6では対照群と比較して海綿骨では骨成長のピークである4ケ月齢から急激に歯槽骨部の骨量の減少と骨梁の断片化を呈し、軟骨下骨部でも6ケ月齢で同様の変化を呈した。しかし皮質骨では変化がなかった。大腿骨の力学的解析では有意差はなかったが強度的に弱い傾向を示した。一方SAMP8ではSAMP6と対照的に皮質骨の肥厚を認め、海綿骨でも骨量の増加(骨硬化)傾向を示した。さらに大腿骨の力学的試験では強度的に強い傾向を示した。以上のように2つの代表的な骨格性疾患の顎骨は組織学的および力学的におおいに異なっている可能性が示唆された。だが本年度の研究データだけでは顎骨の骨性状について明確な事を言うことはできないが、次年度の研究実施計画である顎骨の骨コラーゲン(骨マトリックスの主要な骨格を担う)の遺伝的、生化学的解析を行っていくことで骨の性状つまり骨質の解明につながり、さらにこれらのことが解明されれば本研究課題であるインプラント治療やそれに伴う歯周外科治療に対する術前診断や予知性の診査への応用が可能になると考える。
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Research Products
(1 results)