2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791476
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大郷 友規 Fukuoka Dental College, 歯学部, 助教 (70435121)
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Keywords | 老化促進マウス / 老年性骨粗鬆症 / 変形性顎関節症 / 骨形態計測 / 骨性状 / 歯槽骨 / 関節軟骨 / 生化学的解析 |
Research Abstract |
平成20年度の研究実施計画に挙げた老化促進マウスのうち老年性骨粗鬆症モデルマウス(以下SAMP6)と変形性顎関節症マウス(以下SAMP8)を用いて昨年に引き続き下顎骨の骨形態計測学的解析、骨リモデリングラ解析のためのラベリング、さらに遺伝子発現の定量分析を遂行した。この研究意義は、骨粗霧症または変形性関節症に罹患した患者、実験動物による大腿骨、腰椎等といたた整形外科領域における組織学的研究や遺伝的・生化学的解析等の研究は進んでいるが顎骨等の歯科領域の調査、研究に関してはほとんど報告されていないという点である。今年度における研究成果としては、骨リモデリング解析において対照群(以下SAMR1)と比較してSAMP6の大腿骨および下顎骨では骨髄側からの骨形成が遅いつまりリモデリングが遅れていると言える。この結果は海綿骨の骨量の減少と骨梁の断片化という昨年の研究成果とリンクしているデータであると考える。一方、SAMP8において骨幹部ではリモデリングが遅いことを認めた。これは破骨細胞数の減少により骨髄側からの骨吸収が遅れその結果皮質骨が厚くなったと考え、さらに下顎骨では骨髄腔でも骨梁で満たされたことからこの疾患における骨組織は古い骨基質を反映していると思われる。しかし関節部の軟骨下骨では逆にリモデリングが速いという結果となった。この現象は関節組織の崩壊を回避するために過剰な負荷に対する抵抗的な反応と考えられる。しかし骨コラーゲン架橋構造に寄与する酵素であるLysine hydroxylation(LH)-1/2b、Lysyl oxidase-like protein(Lox)の遺伝的発現の定量分析に関しては、これらの酵素は骨芽細胞が分泌する液成分なのでcDNAの精製が困難で発現定量の再現性に疑問があり分析が不十分であった。今後も組織学的、遺伝的および生化学的解析をさらに進めていき骨性状つまり骨質の解明を続けることが、将来インプラント治療やそれに伴う歯周外科治療に対する術前診断や予知性の診査への応用が可能になると考える。
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Research Products
(1 results)