2007 Fiscal Year Annual Research Report
自家神経移植の新たなドナーの追求・検討-歯髄神経を用いて-
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19791477
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松下 和裕 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (10399933)
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Keywords | 歯髄 / 神経移植 / 神経再生 |
Research Abstract |
抜去歯からヒト歯髄を採取し、神経保存液(ニューロキープ^<TM>、京都)で処理して抗原性を低下させ、SDラットの坐骨神経を切断部位した部位(10mm)に、キトサンチューブの内部に神経を填入して顕微鏡下でチューブの近位側、遠位側を坐骨神経に8-0の糸で縫合して移植した。コントロールとして同種ラットから採取した神経、またチューブ単独、他異種神経を設定した。歯髄神経移植後、患側の足のひらは縮まり萎縮しているが、ラットの明らかな活動性の低下は認められなかった。移植後4週目、8週目に、神経移植した箇所を露出させ神経刺激装置で電気刺激し、神経の回復状態を確認した。いずれの時期でも、明らかな電気の伝導は認められなかった。その後、ラットを犠牲死させ、神経縫合部を採取し、HE染色で神経再生・伸展状態を確認した。キトサンチューブ内に神経の伸展が示唆されたが、HE染色での評価は困難であった。そのため、アクソンのミエリン化の状態やシュワン細胞の状態評価のため透過型電子顕微鏡(TEM)での評価が必須となった。よって現在、サンプルを採取してEpon812 Resinで包埋し、TEMでの評価の準備を開始している。同時にトルイジンブルーでの染色を行い、minifasciclesの状態、血管新生の状況を確認予定である。また、Vimentin、ニューロフィラメント、Luxol Fast Blueでの免疫染色も予定している。なお、神経移植後のサンプル採取までの期間も延長し、成熟過程も評価する予定である。
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