2007 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制剤を局所投与した移植骨の骨系細胞におけるNFATシグナルの解析
Project/Area Number |
19791485
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣谷 拓章 Tohoku University, 病院, 助教 (90312595)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 免疫抑制剤 / 移植骨 / NFAT |
Research Abstract |
NFATは炎症性サイトカインの産生を促す転写因子として研究され、免疫抑制剤であるCsAやFK506はNFATの機能を阻害し、免疫抑制作用を起こす。我々は破骨細胞へのCsA投与がアポトーシスを誘導すること、破骨細胞にNFATが発現していること、破骨細胞分化因子であるRANKLによってNFATの発現が上昇すること、破骨細胞系株に活性型NFATを過剰発現させるとRANKL投与なしに骨吸収能を持つ破骨細胞へと分化することなどを発見した。本研究の目的は自家骨移植と同様とみなせる同系骨移植の実験系を用いて、局所投与したCsAによって抑制される各骨系細胞のNFAT活性が移植骨の骨吸収、骨形成に及ぼす役割を骨形態学的、免疫組織学的、分子生物学的に明らかにすることである。本年度は同系マウスを用い、donorマウスの両側脛骨を摘出し、一方の脛骨にCsAを、他方の脛骨に0.9%NaClを、オスモティックミニポンプを用いて持続的に投与できるようにし、recipientマウスの側背部両側皮下へ移植した。それぞれ濃度や投与期間の異なる群を作り、一定の投与期間の後、移植骨を摘出した。摘出した移植骨は固定後、実体顕微鏡を用いてマクロ写真撮影およびSOFTEXでの軟X線撮影を行った。その後、対であるCsA投与骨と対照骨の、同一部位から横断組織標本を作製し、移植骨の外骨膜側および骨髄腔内における新生骨(皮質骨)の面積を測定中である。軟X線写真では明らかな骨塩量の変化は認めていないが、今後引き続き各種骨形態計測を行う予定である。
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