2008 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制剤を局所投与した移植骨の骨系細胞におけるNFATシグナルの解析
Project/Area Number |
19791485
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣谷 拓章 Tohoku University, 病院, 助教 (90312595)
|
Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 免疫抑制剤 / 移植 / NFAT |
Research Abstract |
NFATは炎症性サイトカインの産生を促す転写因子として研究され、免疫抑制剤であるCsAやFK506はNFATの機能を阻害し、免疫抑制作用を起こす。我々は破骨細胞へのCsA投与がアポトーシスを誘導すること、破骨細胞にNFATが発現していること、RANKLによってNFATの発現が上昇すること、破骨細胞系株に活性型NFATを過剰発現させると破骨細胞へと分化することなどを発見した。 平成20年度は平成19年度の実験を継続しながら、同系骨移植の実験系として同系マウスである C3H/HeJ-+/+マウス、およびFas欠損同系マウスであるC3H/HeJ-Ipr/lprマウスを用い、donorマウスの両側脛骨を摘出し、近遠心両骨端を切断の後、ポリエチレンチューブを介してオスモティックミニポンプを移植骨の骨髄腔内に接続、一方の脛骨にCsAを、他方の脛骨に0.9%NaClを持続的に投与した。これら一対の脛骨と、接続されたオスモティックミニポンプ(2個)は、同系統のrecipientマウスの側背部皮下の両側へ移植し、局所投与したCsAが移植骨に与える効果を解析した。一定の投与期間の後、移植骨を摘出、固定し、マクロ写真および軟X線撮影を行った。その後CsA投与骨と対照骨の、同一部位から横断組織標本を作製し、新生骨の面積の測定・比較を行った。また、TRAP染色陽性の破骨細胞数や骨芽細胞に覆われた骨面の長さの測定を行っている。また、摘出した骨組織をhomogenizeした後RNAを抽出し、今後PCRを行い、NFATやRANK(RANKLレセプター)、RANKL、OPG、COX1, 2、VEGF、Fas/FasLなどの発現量を定量する予定である。
|