2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791491
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒原 一人 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90401364)
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Keywords | ADAM / メタロプロテアーゼ / 口腔癌 / 血管新生 / 膜タンパク |
Research Abstract |
昨年に引き続きヒト口腔癌の手術検体を試料として、タンパク切断酵素活性部位のモナーフを有するADAM(a disintegrin and metalloprotease)タンパクの遺伝子の癌組織における血管新生への関わりを解明するための研究を進めた。ヒト口腔癌の手術検体は術前治療による修飾を受けていない舌癌を中心に検体を収集し、解析に用いた。幾つかのADAM遺伝子の発現をRT-PCRで確認した。発現を確認したあるADAM遺伝子はサブタイブの発現が見られないことが強く示唆され、癌細胞・組織内での相互作用・機能について関与しているかどうか現在解析中である。口腔癌組織内でのタンパクレベルでの発現分布を検討するために免疫組織化学染色を行った。いくつかのADAMと血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor : VEGF)に対する数種類の抗体を用いて手術検体の切片に対して免疫組織化学染色を行い、ADAMとVEGFの発現部位の確認している。 ADAM分子の発現や膜タンパク分子の切断活性が、ヒト口腔癌樹立細胞株の血管新生能にどのような影響を与えるかを検討するために、ストレス条件下での血管新生能について解析している。具体的には、ヒト口腔癌樹立細胞株(HSC2, HSC3, HSC4)細胞を培養し、EGFRからのシグナル伝達を抑制する薬剤やメタロプロテアーゼ活性阻害剤を用いて細胞を処理し、ADAM, VEGF分子の発現の増減をmRNA及びタンパクレベルでの発現量を調べ、口腔癌細胞株の増殖、浸潤や血管新生能との関連性について検討している。
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