2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791495
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鬼原 英道 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 医員 (20431926)
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Keywords | α-TCP / 再生 / 骨 / dexamethasone / 骨補填材 |
Research Abstract |
現在骨造成のゴールドスタンダードである自家骨移植は、骨採取部位への侵襲が大きいことと、採取骨量に限度があることが問題である。自家骨の代わりに人工の骨補填材が使用されている。しかし、現在用いられている骨補填材は骨形成の足場として有用であるが、骨形成を積極的に促進する作用は示さない。そこでわれわれは、すでに骨再生に有用とされているスタチンと抗炎症作用を示すステロイドを用いる新規骨補填材を開発することを最終目的とした。本年度はステロイドの局所投与の最適濃度を動物実験で確認することを目標とした。 実験と方法 適応骨補填材はα-TCPに3種類の濃度のdexamethasoneを適応した。適応濃度は以下の通りである。 1. 100%エタノール1mlにdexamethasone2mgを溶解させてα-TCPに浸透させたもの 2. 100%エタノール1mlにdexamethasone0.2mgを溶解させてα-TCPに浸透させたもの 3. 100%エタノール1mlにdexamethasone0.02mgを溶解させてα-TCPに浸透させたもの また、動物は約350gのオスのWister系ラット8匹、左右頭頂骨に直径5mmの骨欠損をトレフィンバーで作した。作成された骨欠損に上記の3種類の骨補填材を適応して、2ヶ月後に殺をおこなった。屠殺後10%ホルマリンで固定を行い、さらにEDTA溶液で脱灰後、通法にしたがってパラフィン切片の作成を行った。パラフィン切片は約5μmの薄さに薄切され、Hematoxylin-Eosin染色を行った。 結果 動物実験の結果、3種類の濃度のdexamethasoneで特筆すべき骨形成阻害反応は観察されなかった。今回の予備実験ではdexamethasone2mgを用いたものが新生骨形成に有用だということが観察された。
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