2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791495
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鬼原 英道 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部・附属病院, 医員 (20431926)
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Keywords | スタチン / α-TCP / ステロイド |
Research Abstract |
今回我々は、スタチンとα型リン酸三カルシウムを骨増生用補填剤として適応し、さらに骨移植時に起こる初期の局所炎症の制御や疼痛緩和の目的で低濃度のアンテドラッグ性ステロイド製剤の応用を試みたので報告する。平成19年度我々は、α-TCPにスタチンを適切に浸透させる方法とその適切な濃度、さらにアンテドラッグステロイドとスタチンの適正な混合比などを確立するための実験を行った。ウィスターラットを用いてα-TCPに様々な濃度のスタチンを適応させた。14mgのα-TCPにスタチンをそれぞれ0mg、0.01mg、0.1mg、0.25mg、0.5mgエタノールを用いて浸透させ、ラット頭蓋骨に形成された骨欠損にそれぞれ充填を行った。4週後と8週後にラットは屠殺されパラフィン切片による組織像とマイクロCT象の観察を行った。その所見では高濃度の場合は炎症所見が確認され低濃度ではスタチンの効果が確認されなかった。この研究では0.1mgのスタチンを用いたものが一番良い結果であった。その結果を背景に、ステトイド製剤を用いた実験が行われた。予備実験としては適正濃度のスタチン含有α-TCPに様々な濃度のアンテドラッグステロイドを適応したもの、さらに他のステロイド剤としてテストステロンを適応したものも行われた。アンテドラッグステロイドを局所応用した場合、炎症反応は確認されなかったが骨増生に積極的な反応は確認されなかった。テストステロンを適応した場合は標的器官が局所ではないせいか、術後一か月程度の期間では有意差が認められなかった。アンテドラッグステロイドの局所応用は、その場にステロイドが停滞しないで体液、組織液などで流失してしまい期待通りの反応を起こさなかったと考慮している。
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