2007 Fiscal Year Annual Research Report
下歯槽神経障害に対するリコンビナント神経栄養因子の再生促進効果
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19791497
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
安島 久雄 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (80377150)
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Keywords | 神経成長因子 / 下歯槽神経切断 / レスキュー実験 / ルフィニ神経終末 / 歯根膜 |
Research Abstract |
本研究では、マウスに下歯槽神経の切断術後、持続的にリコンビナント神経栄養因子を投与し、歯根膜ルフィニ神経終末の再生過程を検索し、リコンビナント神経栄養因子投与のより効果的な作用時期、投与時期を明らかにすることを目的としている。本年度は、(1)下歯槽神経切断によるBDNF-KOマウス、NT-4/5-KOマウスの歯根膜神経分布密度の変化、(2)リコンビナントNT-4/5の持続的投与による歯根膜神経の回復現症について検索した。得られた成果は以下の通りである。 1.BDNF-KOマウス(ヘテロ型)、NT-4/5-KOマウス(ホモ型)の下歯槽神経を切断し、神経線維の特異的マーカーであるprotein gene product9.5 (PGP9.5)の交替による免疫染色を行い、歯根膜神経の再生過程の定量化を画像解析法により求めたところ、BDNFは神経再生過程の全般にわたり、またNT-4/5は神経再生過程の初期に関与することが想像された。一方、GDNFが歯根膜神経終末の成熟過程に関与していることが報告されていることから、歯根膜神経の再生過程には複数の神経栄養因子が時期依存的に関与していることが考えられた。 2.NT-4/5-KO「マウス(ホモ型)に対する浸透圧ポンプを利用した持続的リコンビナントNT4/5投与実験では、下歯槽神経切断後7日、14日後の神経密度はvehicle群に比べそれぞれ上昇したが、7日と14日後の上昇率に有意差はなかった。また、下歯槽神経傷害を行わなかった群の歯根膜神経の密度も上昇した。このことから、持続的リコンビナント神経栄養因子の投与は歯根膜神経の再生を促進することが明らかとなった。
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