2007 Fiscal Year Annual Research Report
複合粘膜培養法を応用した口腔粘膜前癌病変の診断および口腔癌の早期浸潤モデルの開発
Project/Area Number |
19791512
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南川 勉 Kobe University, 医学部・附属病院, 特定助教 (10397804)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 基底膜 / 口腔癌モデル / 無細胞真皮 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌の大多数は、比較的長期間の前癌状態を経て癌化すると言われており、口腔癌を前癌病変、上皮内癌、あるいは早期浸潤癌の段階で発見し治療ができれば、良好な予後と機能温存とを両立できることが予想される。また、口腔扁平上皮癌では基底膜を越えて浸潤しても筋層浸潤がなければリンパ節転移や遠隔を生じることはまれである。本研究は、口腔癌の予後の向上につながるものと期待し、口腔癌の基底膜浸潤や筋層浸潤の機序を解明することである。 平成19年度は、AlloDermの入手が困難ということがあり、腫瘍細胞を培養する足場の製作から行うこととなった。その手順は6週BALB/cNACrj-nu/nuヌードマウスを安楽死させ、背部皮膚を摘出する。摘出皮膚1mol/1塩化ナトリウム溶液につけ18時間インキュベートし剥離した上皮細胞層をメスにて機械的に除去し、次いでPBSにつけ1週間インキュベートし無細胞化する。これにより無細胞真皮が完全する。作成した無細胞真皮の一不をHE染色および抗ラミニン抗体による免疫染色を施し、細胞が除去できていることや基底膜が温存されていることを確認する。 ヌードマウスより作成された無細胞真皮上で腫瘍細胞を播種するも、生着が困難であり、腫瘍細胞が生着するまでに無細胞真皮が腐敗してしまうという問題が生じた。 現在は、AlloDermを入手することができるようになったため、その上で腫瘍細胞HSC-2、HSC-3、HSC-4を培養仲である。Time Ragを設けて基底膜浸潤を捉えなれれば、HE染色およびp53、PCNA、Ki-67、MMPの免疫染色を行い、組織学的観察やp53遺伝子変異の有無、細胞増殖能、基底膜浸潤の検討を行い、採取元の組織と比較する予定としている。
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