2007 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺腫瘍におけるdynamic CE-MRIを用いた良悪性の鑑別
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19791518
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久富 美紀 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60314704)
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Keywords | dynamic CE-MRI / 唾液腺腫瘍 / 多形性腺腫 / ワルチン腫瘍 |
Research Abstract |
本研究は、造影剤の取り込みによって病変内の経時的血行状態を把握する事ができ、増強のパターンを解析することによって病変の鑑別診断を行うことができるとして期待されているdynamic contrast enhanced MRI (dynamic CE-MRI)を用いて唾液腺腫瘍の鑑別診断あるいは良性・悪性の鑑別を行うことを目的としている。本年度は、唾液腺腫瘍の中でも高頻度に認められる良性腫瘍の多形性腺腫とワルチン腫瘍および悪性腫瘍の粘表皮癌と腺様嚢胞癌において、dynamic CE-MRI が鑑別に有用であるか否かを検討した研究結果を英文雑誌に報告した(Oral Oncol. 2007 43(9):940-7)。15秒のシーケンスである3D-FISPのdynamic CE-MRI を用い、急増・急減の特異的なCIカーブ(造影効果の割合を現すcontrast index(CI)を経時的にプロットしたもの)を示すワルチン腫瘍は診断可能であることを示し、診断学上、重要な結果を得られた。また、dynamic CE-MRIのパラメーターであるTmax(CIの最大値を示し九時間)とWashout ratio(造影剤の排出の割合)を用いた診断基準値を決定することにより、多形性腺腫、ワルチン腫瘍、および悪性腫瘍の鑑別に有用であることを報告した。 さらに病理組織学的標本・免疫染色とdynamic CE-MRIのパラメーターとの関係を検討することも目的としてしたが、本年度は報告には至っていない。また、英文の査読者に症例数が少ないこどと部位別の検討をさらに行うべきである旨を指摘されたため、今後の検討項目として考慮していく予定である。
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