2008 Fiscal Year Annual Research Report
唾液腺腫瘍におけるdynamic CE-MRIを用いた良悪性の鑑別
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19791518
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久富 美紀 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60314704)
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Keywords | dynamic CE-MRI / 唾液腺腫瘍 / 口腔癌 |
Research Abstract |
本研究は, 造影剤の取り込みによって病変内の経時的血行状態を把握する事ができ、増強のパターンを解析することによって病変め鑑別診断を行うことができるとして期待されているdynamic contrast enhanced MRI(dynamic CE-MRI)を用いて唾液腺腫瘍の鑑別診断あるいは良性・悪性の鑑別を行うことを目的としている。昨年度は、唾液腺腫瘍の中でも高頻度に認められる良性腫瘍の多形性腺腫とワルチン腫瘍および悪性腫瘍の粘表皮癌と腺様嚢胞癌において、dynamic CE-MRIが鑑別に有用であるか否かを検討した研究結果を英文雑誌に報告した(Oral Oncol. 2007 43(9) : 940-7)。この唾液腺腫瘍のdynamic CE-MRIのパラメーターと病理組織学的標本・免疫染色との関係を検討しているが、本年度は報告には至っていない。 口腔扁平上皮癌の腫瘍血管新生や腫瘍増殖能と転移の関連性については報告があり、腫瘍細胞増殖能に関連するマーカーであるPCNAや微小血管の血管内皮細胞マーカーであるCD34が口腔扁平上皮癌の腫瘍増殖能や転移に関連があることが明らかにされている。そこで、本研究の基礎データとして、口腔扁平上皮癌におけるdynamic CE-MRIのパラメーターと免疫組織学的マーカーとの相関関係を検討した研究結果を英文雑誌に報告した(Oral Oncol. 2008 Nov 20. [Epub ahead of print])。口腔扁平上皮癌のT2、T3症例において、細胞増殖能を評価するPCNAと血管内皮細胞マーカーCD34は、ダイナミックMRIのパラメーターと強い相関関係を示したことから、ダイナミックMRIは非侵襲的かつ迅速に、腫瘍増殖能を数量的に評価可能で、腫瘍内血管新生を予測できる術前検査として有用であると考えられた。
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Research Products
(3 results)