2007 Fiscal Year Annual Research Report
超効率型CXCR4 siRNAを用いた口腔癌のリンパ節転移抑制療法の開発
Project/Area Number |
19791524
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内田 大亮 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335798)
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Keywords | CXCR4 / siRNA / リンパ節転移 |
Research Abstract |
本年度は、small interfering RNA (siRNA)を用いたCXCR4の発現抑制により口腔癌のリンパ節転移抑制が可能であるか検討するために以下の実験を行った。すなわち、CXCR4を高発現しており、ヌードマウス同所性移植モデルにてリンパ節転移能を有する口腔扁平上皮癌細胞株B88に対して、CXCR4 siRNAに対する発現ベクター導入し、3種類のCXCR4ノックダウン細胞(siCXCR4-16,17,21細胞)を樹立した。これらの細胞におけるCXCR4 mRNA、蛋白の発現は、コントロールベクターを導入したmock細胞に比較して、約50-60%程度低下していた。siCXCR4細胞のin vitroにおける細胞増殖能は、コントロール細胞、親株B88細胞と比較して変化を認めなかった。しかしながら、siCXCR4細胞においては、SDF-1誘導性に生じる細胞内カルシウム流入量が著明に減少しており、細胞遊走能も有意に低下していた。この中で、CXCR4の発現レベルが最も低下していたsiCXCR4-17細胞をヌードマウス咬筋内に同所性移植したところ、リンパ節転移のみならず、原発巣のサイズ、マウスの体重減少が有意に抑制された。 以上より、CXCR4に対するsiRNAがリンパ節転移を抑制する可能性が示唆されたため、siRNAオリゴによるtransfectionの至適条件を検討した。すなわち、すでに我々が分離しているluciferase遺伝子を恒常的に発現するB88細胞(B88-luc)にB-Bridge社製luciferase GL3 siRNAを導入し、luciferase活性が80%以上減弱する最適条件を定量的に評価した。その結果、2μ1のLipofectamine 2000を48μ1のOpti-MEMで希釈し、60pmolのGL3 siRNAと混合したものをtransfectionすることで、luciferase活性が最も減弱することが明らかとなった。現在、作製したCXCR4に対するsiRNAオリゴにおけるCXCR4の発現抑制効果を検討中である。
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