2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の腫瘍血管形成時に誘導される遺伝子群の解析とその分子標的治療法の確立
Project/Area Number |
19791534
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
荻 和弘 Sapporo Medical University, 医学部, 助教 (40433114)
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Keywords | 口腔癌 / 低酸素応答 / HIF-1 alpha / 血管新生因子 / RNAi |
Research Abstract |
1.マイクロダイゼクション法により,口腔癌症例における発育先進部の腫瘍細胞を採取しDNAを抽出した。この切除部すなわち腫瘍発育先進部が低酸素状態にあることを確認した上で,HIF-1alphaおよびその標的遺伝子であるVEGFのエピジェネティックな遺伝子異常が認められるか,DNAメチル化解析を行い現在検討中している。 2.口腔癌症例においてHIF-1 alphaおよびその標的遺伝子であるVEGFの免疫染色を行った。口腔癌の術前治療に放射線治療と抗癌剤同時併用療法を行った症例においては,その外科的切除標本で低酸素領域に一致して残存腫瘍細胞が見られた。またHIF-1 alphaおよびVEGFの発現は核と細胞質に広く認められた。 3.放射線治療とTS-1を服用した症例においては,臨床的にCRと判定した症例もあり放射線増感作用を有した薬剤が腫瘍細胞の殺傷作用に相乗効果を示すと考えられる。 4.放射線治療と同時併用したTS-1が,腫瘍細胞の増殖抑制に加えて腫瘍血管の新生を阻害する可能性が示唆された。 5.各種口腔癌細胞株を用いてsi-RNA p65を直接遺伝子導入し,p65の機能を阻害すると癌細胞の増殖抑制効果が上がるか現在検討中である。
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Research Products
(2 results)