2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波遺伝子導入法を用いた慢性顎関節炎の新しい治療法開発
Project/Area Number |
19791538
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
土生 学 Kyushu Dental College, 歯学部, 助教 (00360058)
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Keywords | 顎関節炎モデル / TNF-α / アポトーシス / 超音波遺伝子導入 / 慢性顎関節炎 |
Research Abstract |
「研究の目的」慢性顎関節炎疾患モデル上での抗炎症性サイトカインを超音波遺伝子導入法によって導入し、その消炎効果を検討することを目標とする。 「研究実施計画」ウサギ慢性顎関節炎モデルにおける関節炎誘発と同時に抗TNF-α抗体産生遺伝子導入を行う。遺伝子導入方法は前年度で検討した最適条件を用いる。関節炎の抑制効果は動物の体重変化、関節の腫脹、滑液中の炎症性サイトカイン量、関節の病理組織学的ならびに免疫組織化学的所見にて評価を行う。また、遺伝子発現量のモニタリングとして、マイクロダイアリーシスプローブにて関節液を採取し、GFP量を蛍光光度計で、抗TNF-α抗体量をELISA法で測定する。病的滑膜では表面にIL-1 type I receptorやTNF receptorが多く発現していることが判明しているので、これらのタンパクの発現抑制効果も免疫組織学的に検討する。 「結果」ウサギ慢性顎関節炎モデルにおいて抗TNF-α抗体遺伝子導入の結果、臨床的には局所疼痛の制御が可能であった。また、病理学組織学的には、滑膜炎や骨・軟骨の炎症性変化は抑制され、滑液中の炎症性サイトカイン量も減少していた。また、滑膜表面におけIL-1 type I receptorやTNF receptorの発現も抑制されていた。抗TNF-α抗体産生遺伝子導入においては、遺伝子導入された滑膜や軟骨表層細胞が多数認められ、滑液中の産生された抗TNF-α抗体量も増加していた。 「結論」慢性顎関節炎モデルにおいて超音波遺伝子導入における抗炎症性サイトカイン治療は、臨床的にも病理組織学的にも有効であった。
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