2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性筋性顎関節症のセロトニン機能異常による中枢痛覚過敏化と下行性抑制系不全の関与
Project/Area Number |
19791542
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村岡 渡 Keio University, 医学部, 共同研究員 (70317254)
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Keywords | 慢性筋性顎関節症 / 時間的加重 / セロトニン関連遺伝子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、難治性の慢性筋性顎関節症の原因を、セロトニン機能異常による中枢痛覚過敏化と下行性抑制系不全による影響と考え、その病態解明と臨床における治療法の確立をめざすことであった。2年目である本年は、「時間的加重による調査」(時間的加重による調査とは、機械的に起こした疼痛の時間的加重(temporal summation)を評価することで中枢侵害ニューロンの興奮性を調べること)を目的にダイヤメディカル社製機械刺激装置DPS-270を使用し測定を開始した。疼痛VASの測定に用いるデジタルVASは、コンピューターソフトの専門家とともに改良を重ね、安定した測定が可能になった。併せて筋・筋膜痛による関連痛の測定も行った。咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋を触診し、トリガーポイントによる関連痛を部位、範囲においてマッピングを行った。関連痛が生じるまでの時間や、筋圧痛の程度も4段階で評価した。また、東京都精神医学総合研究所の分子精神医学研究チームの協力を得ることができ、血液検体からDNAを抽出し、電気泳動によりセロトニン関連遺伝子多型を調べ下行性抑制系への素因的な関与を評価するための実験系を確立した。セロトニントランスポーター(5HTT)遺伝子の5HTTLPR(serotonin transporter gene polymorphism within the promQter region)において、S(short)、L(long)、XL(extra long)という3種類のアリルを判定した。
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