2007 Fiscal Year Annual Research Report
下歯槽神経切断モデルラットにおける感覚異常発生と治癒のメカニズムの解析
Project/Area Number |
19791554
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
奥村 雅代 Matsumoto Dental University, 総合歯科医学研究所, 助教 (10362849)
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Keywords | 神経 / 疼痛 / モデルラット / 臨床例 |
Research Abstract |
下歯槽神経切断モデルラットを用いて、アロディニア発生機序の解明を目的として実験を行った。下歯槽神経切断後の三叉神経節を取り出し、その遺伝子発現変動を7日後まで追った。下歯槽神経を含む3枝領域とアロディニア領域を支配する2枝領域を別々に解析した。これまでのマイクロアレイ解析の結果を参考に検討を行い、リアルタイムPCRにてCACNA2D1、 GFRA1、GABRA5、SYT4について3枝領域での発現上昇を確認した。これらはいずれも三叉神経節3枝領域では発現上昇は見られたが、2枝領域では発現上昇が見られなかった。また偽処置では3日目以降は元のレベルに戻るのに比べ、切断モデルでは7日目になっても発現上昇が維持されていた。電位依存性カルシウムチャネルのサブユニットの一つであるCACNA2D1、GDNFレセプターであるGFRA1は、共にアロディニアの原因遺伝子及び治療標的の候補として報告されているが、いずれもアロディニア領域支配神経ではなく、損傷神経において発現が変動している。また他の二つ、GABRA5とSYT4についても類似の変動パターンを示すことから、アロディニアとの関連性が示唆される。アロディニア発生に伴っておきる諸現象についてはさらにいくつか検討を予定している。 ヒト症例における疼痛治療法として、Gabapentinのくも膜下腔投与、交感神経切除に着目し、現在そのモデルラットを作成中である。今後、これらの治療後に上記のアロディニア関連の現象がどう変化するかを確認していく予定としている。
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