2008 Fiscal Year Annual Research Report
下歯槽神経切断モデルラットにおける感覚異常発生と治癒のメカニズムの解析
Project/Area Number |
19791554
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
奥村 雅代 Matsumoto Dental University, 総合歯科医学研究所, 助教 (10362849)
|
Keywords | 神経損傷 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
アロディニア発生機序の解明を目的として、下歯槽神経切断モデルラット及びラットの延髄部分にカテーテルを留置するモデルを作成し、神経因性疼痛治療薬であるGabapentinの下歯槽神経切断後アロディニアに対する効果を調べた。下歯槽神経切断後には翌日から手術側上口唇における疼痛逃避閾値の低下がみられたが、延髄カテーテルを通じてGabapentin(200μg/day)を神経切断後7日目から5日間連続投与すると、低下した疼痛逃避閾値の回復が確認され、Gabapentinが下歯槽神経切断後のアロディニアにも効果があることが確認された。またこれに伴う三叉神経節神経細胞における遺伝子発現変動をreal-time PCRにて解析した。下歯槽神経切断後には3枝領域にて多くの遺伝子発現の上昇が見られることをすでに確認しているが、Gabapentin投与後に逃避閾値が回復したラットでは、これらの遺伝子のいくつかについてその発現上昇が抑制されていた。しかし、これらのモデルラットの疼痛逃避行動データと遺伝子発現変動についての相関については未だデータが不足しており、さらに解析を続ける必要がある。 今後は、投与期間の長さによる影響、さらに他の遺伝子群の発現動態、投与中止後に疼痛異常が再発した場合の遺伝子発現動態、等を調べる。また、ATP受容体阻害薬やグルタミン酸受容体阻害薬の投与、神経切断時の局所麻酔薬の影響に関する解析を行う予定としている。
|