2007 Fiscal Year Annual Research Report
高気圧酸素療法を適用した上顎歯槽骨延長部への歯の移植に関する実験的研究
Project/Area Number |
19791567
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
長濱 浩平 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部附属病院, 医員 (60401361)
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Keywords | 口腔機能再建 / 高気圧酸素療法 / 歯槽骨延長術 |
Research Abstract |
<目的>骨延長術は顎顔面領域においても治療に広く用いられている。しかし、骨延長術では骨硬化に長期の固定が必要となる点は臨床的に大きな問題である。高気圧酸素療法(HBO)は主に虚血性疾患の治療に用いられ、近年では、口唇口蓋裂患者に対して行われる上顎骨延長術後にも適用されているが、その科学的根拠は必ずしも十分ではないのが現状である。そこでわれわれはイヌの口唇口蓋裂モデルを用いて、高気圧酸素治療が骨延長術後の治癒促進に作用するという仮説に関して検証を試みた。 <方法>左側口蓋に人工的に作製した骨欠損部へ向かって犬歯を含む移動骨片を近心に移動させて骨延長を行った。3匹のイヌに対して骨延長を行った直後から20日間にわたる高気圧酸素療法を行った。一方、骨延長のみ施行した残り3匹は対照群(control group)として用いた。移動骨片の犬歯歯髄血流をレーザードップラー血流計を用いて100日間測定した。100日目に屠殺した後、放射線学的分析や評価を行った。 <結果>高気圧酸素に暴露した群は対照群と比較して、30日早くもとの血流値に回復した(p<0.05)。高気圧酸素に暴露した群は対照群と比べ皮質骨塩量密度も有意に高かった(p<0.05)。組織形態計測学的分析を用いて調べた結果、新生骨領域は高気圧酸素に暴露した群は対照群と比較して大きかった(p<0.05)。X線画像上では高気圧酸素療法群において100日目で新生骨部位での不透過領域を広く認めた。対照群と比較して高気圧酸素療法群における新生骨部位でのグレーレベルパーセントは40日目で回復し始め、90日目と100日目で有意に大きい値を示した(p<0.05)。対照群のグレーレベルはほぼ一定であった。これらの結果から、高気圧酸素療法は骨延長法における固定期間を短縮できる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)