2008 Fiscal Year Annual Research Report
口唇口蓋裂児の顔面・口蓋形態の統合的三次元計測系開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
19791568
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
五十川 伸崇 Tokyo Medical and Dental University, 歯学部・附属病院, 非常勤講師 (40396966)
|
Keywords | 画像認識 / 計測工学 / 歯学 |
Research Abstract |
本研究は、口唇顎口蓋裂児の顔面と口蓋の三次元データを測定しコンピューター上で統合することで数値的に標準化させるために、非接触型三次元形状測定装置により非侵襲的かつ高速度に顔面と口蓋の三次元データを測定する方法および統合補助マーカーを用いることで顔面と口蓋の三次元的位置関係を三次元データ測定時に同時に測位し顔面と口蓋の三次元データを非侵襲的に一体化させる方法の確立を目的としている。 成人研究協力者をモデルとして、測定速度の高速化を行った非接触型三次元顔面形状測定装置(テクノアーツ、GRASF-F)によりトレー型三次元画像統合マーカーを用いて顔面部三次元データと同時に顔面と口蓋の三次元的位置関係を測定した。また、トレー型三次元画像統合マーカーの上顎トレー部分により同研究協力者の上顎の印象採得を行い、非接触型三次元形状測定装置(テクノアーツ、GRASP-M)を用いてトレー型三次元画像統合マーカーより口蓋部三次元データと同時に顔面と口蓋の三次元的位置関係を測定した。これら顔面及び口蓋の三次元データ測定の際にトレー型三次元画像統合マーカー上の共通入力項目を介在させることで、従来のようにX線規格写真を用いることなく非浸襲的にそれぞれ別個に測定された口蓋と顔面の三次元形状データの三次元的位置関係を測位しコンピューター上で一体の三次元構造とすることを可能とした。 今回、新生児被験者を得ることが出来なかったことから、本方式により新生児の三次元データを測定し実際の臨床に応用することは3月末現在出来なかった。しかし、本研究成果は、将来的に新生児・乳児段階の口唇口蓋裂児の顔面ならびに口蓋形態の統合三次元データを基にした術前時点での患児のより詳細な評価、間接法によるPNAM作成、といった形で口唇口蓋裂児の治療における患児本人並びに保護者への負担を軽減することに寄与するものである。
|