2007 Fiscal Year Annual Research Report
統一モデリング言語による顎顔面非対称症例の客観的表記方法の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
19791570
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
越知 佳奈子 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (60397122)
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Keywords | 歯学 / 臨床 / 歯科矯正学 / 顎顔面非対称 / 統一モデリング言語 |
Research Abstract |
本年度はこれまで開発してきた歯列-歯槽部の三次元解析システムの修正と拡充により、上顎歯槽部の形態的特徴をパラメータ化すると同時に、顎顔面領域の構成要素を統一モデリング言語(Unified Modeling Language,以下UML)を用いて表記する準備を行った。 上顎歯槽部の形態的特徴のパラメータ化は、新潟大学医歯学総合病院において外科的矯正治療を行った顎顔面非対称症例のうち、歯列-歯槽部の補償的変形が著しかった症例の初診時上顎歯列模型を資料として用いた。購入した三次元スキャナー(LPX-60;Roland DG社)を用いて歯列模型をコンピュータに入力し、開発した模型データ解析システムにより、データの座標変換を行い、正常咬合者の歯列弓を表現した四次多項式を利用して歯槽部の断面形状を算出後、断面形状から特徴点を抽出した。断面形状の左右側の重ね合わせを行うとともに、抽出したデータを三次元データ上に再変換し、同名特徴点を通る曲腺を表示し、歯列-歯槽部全体としての対称性、連続性等を検討した。開発したシステムにより、下顎同様に上顎の歯列-歯槽部形態の全体的な解析が可能になった。また、左右側の断面形状の重ねあわせを可視化したことで、歯列の補償的変形の細部が捉えやすくなった。座標変換方法は補償的変形の影響を受けにくい口蓋縫線を用いたことで良好な結果が得られたが、歯槽部の変形が口蓋正中付近までおよんでいる症例もあることから、座標系の補正方法については更なる検討が必要である。今後は上下顎骨の位置関係と歯列-歯槽部の補償的変形の関連性について研究を進める予定である。 また、UML表示の準備のため基本的知識の習得を行ったが、来年度以降は顎顔面の構成要素を検討して適切なオブジェクト化を行う作業を開始しつつ、UMLの基本的知識についてはさらに習得する必要がある。
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