2007 Fiscal Year Annual Research Report
水分子を指標にした歯の移動に伴う神経-グリア相互作用
Project/Area Number |
19791571
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原田 史子 Niigata University, 医歯学総合病院, 医員 (00397150)
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Keywords | アクアポリン / 下歯槽神経切断 / 三叉神経節 |
Research Abstract |
アクアポリンaquaporin(AQP)は水を特異的に通過させるチャネルである水チャネルである。腎臓をはじめとするさまざまな組織で部位特異的な発現が報告され、その機能解析が進んでいるが、末梢神経系でのアクアポリンの分布,機能に関する研究はほとんど行われていない。本研究の最終ゴールは歯の移動の際の歯根膜神経終末ならびにAQPの局在の変化を明らかにすることである。本年度は(1)三叉神経節におけるAQP-1の局在、(2)下歯槽神経切断実験モデルによる三叉神経節におけるAQP-1 mRNAの変動について検討した。 1.正常動物の三叉神経節からtotal RNAを抽出し、RT-PCR法によりAQP-1 mRNAが検出され、免疫染色により、AQP-1の免疫反応が一部の衛星細胞と中型の神経細胞に観察された。なお、AQP-4 mRNAも検出されたが、その免疫反応は衛星細胞に限局していた。 2.我々の報告した下歯槽神経切断実験モデルを用いて、神経傷害時の三叉神経節におけるAQP-1 mRNAの変動を観察するために、試料からTotal RNAからcDNAを作成し、aqp-1およびGapdhの発現をSYBER Green Iを用いたインターカレーター定量PCR法にて検討した。しかしながら、下歯槽神経傷害1,3,5,7,14日後を比較検討しても、AQP-1 mRNAの著名な変動は観察されなかった。 三叉神経節にはAQP-1に加え、AQP-4 mRNA、タンパクが衛星細胞に検出されており、神経傷害時のグリア-ニューロン間の相互作用の解明にはAQP-4について同様の検討を行う必要があると考えられた。
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