2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯根膜SP細胞を用いた歯周組織再生に関する研究
Project/Area Number |
19791578
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
川邉 紀章 Okayama University, 医学部歯学部・附属病院, 助教 (00397879)
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Keywords | ヒト歯根膜細胞 / SP細胞 / 幹歯細胞 |
Research Abstract |
本年度の研究では、申請者が以前に報告したヒト歯根膜SP細胞が、多分化能を持つ細胞集団であるのかについて、in vitroにおける検討を行った。歯根膜SP細胞の多分化能を単一細胞のレベルで評価するために、フローサイトメトリーを用いて歯根膜SP細胞のクローン細胞株を樹立し、以後の実験に使用した。スクリーニングとして、まず、樹立した歯根膜SPクローン細胞株を、骨芽細胞誘導培地を用いて骨芽細胞への分化能を検討した。その結果、100% (n=8)の細胞株において、アリザリンレッドS染色性の石灰化が認められた。また、これらの細胞からRNAを抽出し、RT-PCRを行ったところ、Osteopontin・BSP等の骨芽細胞の分化マーカー遺伝子発現の上昇が認められた。これらの結果から、歯根膜SP細胞は、骨芽細胞への分化能を有する細胞であることが示された。次に、歯根膜SPクローン細胞株を、脂肪細胞誘導培地を用いて培養したところ、オイルレッドO染色性の脂肪滴の形成が観察された。また、RT-PCRを行った結果、PPAR-γ・ALBP・LPL・C/EBP-α等の脂肪細胞の分化マーカー遺伝子発現の上昇が認められた。これらの結果から、歯根膜SP細胞は、脂肪細胞への分化能を有する細胞であることが示された。以上の結果から、歯根膜SP細胞は多分化能を持つ未分化な細胞を多く含む細胞集団であることが示された。今後、他の細胞(軟骨細胞・神経細胞など)への分化能、およびin vivoでの分化能の検討を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)