2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児口腔のバイオフィルム解析によるオーダーメイド治療の確立
Project/Area Number |
19791581
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉村 剛 Hiroshima University, 病院, 助教 (50403530)
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Keywords | 齲蝕 / S.mutans / 臨床分離株 / 耐酸性能 |
Research Abstract |
小児の齲蝕予防を実践する上で、齲蝕原性菌の齲蝕誘発能を調べることは非常に重要である。さらに、同種の齲蝕原性菌であっても口腔環境によって齲蝕発現性が異なることが指摘されている。今年度は、研究実施計画に基づき、臨床分離株の分離と菌の耐酸性について検討を行い、菌の齲蝕リスクを判定するための評価系の構築を行った。 (1)プラークからのミュータンスレンサ球菌の分離 広島大学病院小児歯科診療室を受診した小児のうち、保護者と小児にプラークの採取について十分な説明を行い、同意の得られた4〜17歳の80名を対象とし、50株を超える臨床分離株の分離を行った。 (2)分離菌株の耐酸性能についての検討 分離菌株をBHI液体培地にて培養後、pH7.0及びpH4.0(低pH条件)のリン酸緩衝液中に懸濁し、37℃で1時間インキュベーションを行った。その後、懸濁液をBHI寒天培地に播種して37℃にて培養を行った。2日後、生菌数をカウントすることにより生存率を算出した。その結果、高齲蝕者株、低-無齲蝕者株を得ることが出来た。また、同時に酸に耐性の高耐酸性株、低耐酸性株を得ることが出来た。 (3)菌の齲蝕リスク判定評価系の構築 菌の増殖に関与する各遺伝子(Aml、F-ATPase)、齲蝕原性に関与する遺伝子(GTFB)に特異的なリアルタイムPCR用のプライマーの作成を行い、遺伝子解析による評価系の構築を行った。 このような成果をふまえ、最終年度となる来年度は臨床分離株における各遺伝子の発現について、さらなる検討を行っていきたい。
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