2007 Fiscal Year Annual Research Report
アメロジェニンとBMPの相互作用による若年性歯周炎治療法の確立
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19791588
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
齋藤 幹 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40380852)
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Keywords | アメロジェニン / BMP |
Research Abstract |
以前の研究で我々は歯周病の治療に用いられ、アメロジェニンが主成分と言われているエムドゲインを解析することにより、エムドゲイン中にBMPが含まれることを発見した。そしてアメロジェニンと結合する分子としてヘパリンを突き止めた。しかし、ヘパリンは多くの分子と結合する傾向がある。そこで我々はリコンビナントアメロジェニンを作成し、アメロジェニンとヘパリンの結合力を調査することにした。その結果、アメロジェニンとヘパリンの結合はNaC1濃度が0.8M以上で分離する事が判明した。アメロジェニン以外にヘパリンと結合する分子としFGFが挙げられ、ヘパリンとの結合はNaCl濃度が0.5Mから0.9M程度で分離する事が知られている。このことから、アメロジェニンとヘパリンとの結合はFGFとほぼ同程度の結合力を有し、生体内でも充分結合しうる能力を有することが判明した。次にヘパリンの類似構造物を持つグリコサミノグリカンであるヘパラン硫酸とアメロジェニンとの結合を検討したところ、ヘパラン硫酸の濃度依存的にアメロジェニンと結合することが判明した。この事から、アメロジェニンは生体内にてヘパラン硫酸と結合し、何らかの作用をしていると考えられる。そこで、骨代謝に影響を与え、ヘパラン硫酸と結合と結合する分子としてBMPが知られている。そこで哺乳細胞から発現させたBMP2とアメロジェニンの結合を検討したところ、アメロジェニンはBMP2と結合することが判明した。この結果はアメロジェニンがBMPに作用し、骨代謝に影響を与えている可能性があることを示唆している。
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