2008 Fiscal Year Annual Research Report
性差が顎関節円板の細胞外マトリックスに及ぼす影響に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
19791594
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
鳥谷 奈保子 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 助教 (20433435)
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Keywords | 顎関節円板 / プロテオグリカン / レーザーマイクロダイセクション / 細胞外マトリックス / 性ホルモン / バーシカン / バイグリカン / デコリン |
Research Abstract |
本研究では、異なる性差のラットを用いることにより、顎関節の細胞外マトリックス(コラーゲンおよびプロテオグリカン)の発現にどのような影響を及ぼしているのかについて解明することを目的としている。 前年度に行った性ホルモンの影響による細胞外マトリックス(コラーゲンおよびプロテオグリカン)の発現変化を解析するための予備実験では、ラット顎関節円板におけるレーザーマイクロダイセクションによる遺伝子組織学的検討により、雄性Wistar系ラットを用いて正常ラット顎関節円板のプロテオグリカンの遺伝子発現についての検討を行った。この実験において、関節円板は、前方肥厚部、中央狭窄部、後方肥厚部の3つの部位においてデコリン、バイグリカン、ファイブロモジュリン、ルミカン、バーシカンの5種類のプロテオグリカンについて検討した。その結果、牽引力の負荷部位と考えられる前方肥厚部ではデコリン以外のSLRPsのmRNA発現量は成長に伴い減少し、圧縮力の負荷部位と考えられる中央狭窄部、後方肥厚部ではmRNA発現量は類似した様相を示し、バイグリカン、ファイブロモジュリンは8週齢以降増加を示した。以上の結果、ラット顎関節円板における各種プロテオグリカンのmRNA発現は、領域差を示すことが明らかとなった。 今年度は、前年度の結果をふまえ、性差についての検討を行った。結果として、コラーゲンおよびプロテオグリカンのmRNA発現において性差による優位差は認められなかった。
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