2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791599
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
綿引 淳一 Showa University, 歯学部, 兼任講師 (60384351)
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Keywords | 下顎頭軟骨 / FDD / マイクロダイセクション |
Research Abstract |
【目的】下顎頭軟骨は、他の成長軟骨と同様に軟骨内骨化をしている事はよく知られているが,組織学的な違いとして他の成長軟骨と異なり軟骨細胞の配列が不規則であり,外的環境変化に反応しやすい性質を持っている。しかし、それら相違のメカニズムは明らかと成っていない。そこで、我々は下顎頭軟骨の特異性および下顎骨の成長発育のメカニズムを解明する事を目的として、下顎頭軟骨と長管骨成長軟骨における遺伝子発現に著しい差異のある遺伝子の探索・同定を行った。【資料および方法】生後1週齢SD系ラットを用い、Laser Microdissection法により下顎頭軟骨および長管骨成長軟骨を選択的に採取しtotal RNAを抽出した(下記文献参照)。次いで、Super SMART PCR cDNA Synthesis Kit(Clontech)にてcDNA probeを増幅したのち蛍光ディファレンシャルディスプレー法(FDD)にて両者の発現比較を行った。得られた候補遺伝子断片を複数の制限酵素で切断処理を行った。制限酵素認識配列までの距離1青報を用いてUniGene上の遺伝子データベースを用いて検索同定を行った。また、同定された遺伝子をさらにRT-PCR法および免疫染色によって存在の有無を再検証した。【結果および考察】FDD法によって、下顎頭軟骨と長管骨成長軟骨の遺伝子発現に著しい差のある遺伝子が新規遺伝子である可能性の高い遺伝子を含め複数ある事が分かった。さらに、それら遺伝子群の中で他の成長軟骨および関節軟骨に特異的に強く発現し血管新生を強力に抑制するChondromodulin-I (ChM-I)が、FDD法、RT-PCR法、免疫染色法において下顎頭軟骨に特異的に存在しない事が分かった。この事から、下顎頭軟骨は血管新生が行われ易く特異的で旺盛なリモデリング機構を持つと示唆された。
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