2007 Fiscal Year Annual Research Report
ショ糖応用後の歯垢の深さの違いにおけるpHおよびミネラルの変化について
Project/Area Number |
19791604
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
東 公彦 Aichi Gakuin University, 歯学部, 講師 (80367622)
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Keywords | 小児歯科学 |
Research Abstract |
エナメル質の脱灰と再石灰化のプロセスは、それに隣接する歯垢内の環境に強く影響される。近年の研究では、歯垢内部とエナメル質との境界部の重要性が認識されるようになり、歯垢も2次元的(単体)ではなくその表層、内層といった厚みを考慮して3次元的に捉えられるようになってきた。加藤らが開発した歯垢堆積装置を用いた歯垢中ミネラルや細菌の層別分析法が確立されたことにより、歯垢表層と内層では、ミネラルや細菌の分布が異なることが明らかにされ、歯垢のより詳細な情報が求められるようになってきた。これまでの研究では、シュクロース応用後の歯垢内pHの変化については、歯垢を単体として検討してきたものしかなく、表層部、内層部におけるpHの変化を検討した研究はない。 平成19年度の研究では、in vivoにおいて歯垢堆積装置を付けたクラスプを被験者の上顎右側臼歯部に装着し、歯垢堆積装置の表層部、内層部に100μmの微小pH電極を2本挿入し、10%シュクロースを2分間応用後の歯垢表層部および内層部におけるpHの変化を同時にモニタリングした。その結果、歯垢表層部は内層部に比べて、pHの低下が速く、元のpHに戻るのが速いこと、最低pHは表層部の方が内層部と比べて低いことが明らかになった。この結果より、歯垢表層と比較して歯垢内層では、シュクロースの浸透が遅くまたその量も少なくなること、一方で歯垢表層の方が歯垢内層と比べて唾液の影響を強く受けるため拡散が速いことが考えられた。
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