2007 Fiscal Year Annual Research Report
根面のBMP塗布とコラーゲンスキャフォールド移植による歯周組織再生療法の開発
Project/Area Number |
19791606
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮治 裕史 Hokkaido University, 大学院・歯学研究科, 助教 (50372256)
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Keywords | 再生医学 / 骨増生 / コラーゲン / スキャフォールド / BMP / 生体親和性 |
Research Abstract |
(目的) 現在臨床応用されているGTR法などの歯根膜の増殖に依存した歯周組織再生療法では十分な再生量が得られないため,新しい組織工学的な再生療法の開発が必要と考えられる.本研究では,銅-アスコルビン酸システムで架橋された新しいコラーゲンハイドロゲルを,スポンジ型アテロコラーゲンとハイブリッドさせ,ラットに移植して生体親和性,骨増生能について組織学的に検討した. (アテロコラーゲンスキャフォールドの作製と移植)濃度4%のコラーゲンスポンジを5×5×3mmの大きさに成形した.コラーゲンハイドロゲルはウシ由来アテロコラーゲン粉末から作製したアテロコラーゲン溶液をアスコルビン酸と塩化銅にて架橋し作製した.コラーゲンスポンジにコラーゲンハイドロゲルを含浸させpH7.4のPBS中にてハイブリッドさせコラーゲンマテリアルを完成させた.麻酔下で10週齢のラットの頭蓋骨上にコラーゲンマテリアルを移植した.観察期間は3,14日とし,薄切標本を作製し組織学的評価を行った.その結果,3日において移植したコラーゲンマテリアル内に骨芽細胞様細胞の増殖が認められ,炎症性細胞浸潤は少なかった.14日においてコラーゲンマテリアル移植群では頭蓋骨増生が認められ,新生骨サイズは移植群6.27mm^2,対照群3.25mm^2であり,有意差が認められた.以上の結果から,新しいコラーゲンマテリアルは生体親和性に優れ,骨芽細胞の足場(スキャフォールド)として有効であることが明らかになった.また現在,コラーゲンスポンジ濃度の違いによる骨増生の比較,イヌ歯根面へのBMPの塗布方法の修正,およびコラーゲンハイドロゲル単独での生体内での生物学的作用を研究継続中である.
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