Research Abstract |
(目的)新しいアテロコラーゲンスキャフォールドの有効性について, H19年度より継続してラットを用いて組織学的に検討した. ラットに全身麻酔下で頭蓋骨窩洞(4×4×0.5mm)を形成し, その後移植材料によって以下5群に分けた. BGS群ではBMP-2を含有させたアテロコラーゲンスキャフォールド(6×6×3mm)を骨窩洞に移植,以下同様に, GS群ではアテロコラーゲンスキャフォールドのみを, BS群ではBMP-2を含有させたコラーゲンスポンジを, S群ではコラーゲンスポンジのみをそれぞれ移植した. C群では何も移植しなかった. 組織標本は術後5,10,15日目に作製し織学的観察および計測を行った. その結果, 骨形成量はBGS群 : 1.54±0.22mm^2, GS群 : 0.88±0.14mm^2, BS群 : 0.74±0.19mm^2, S群 : 0.72±0.16mm^2, C群 : 0.58±0.11mm^2であり, BGS群は他の4群と比べて有意(p<0.01)に多く新生骨が認められた. 以上から, アテロコラーゲンスキャフォールドが, 細胞侵入性と組織への置換性, 再生スペースの確保に有効であり, さらにBMPを併用することで新生骨量を増加できるスキャフォールドになることが示唆された. またH20年度はイヌを用いた歯周組織モデルでの検討を始めた. 犬4頭の上下顎前臼歯歯根(24部位)に高さ5mmの1壁性骨欠損を作製し, 露出した歯根面をルートプレーニングしてセメント質を除去した. 次に歯根象牙質表面を24%EDTAにて3分間脱灰し, BMPコラーゲン群ではBMP-2溶液(1000μg/ml)を歯根象牙質表面に塗布後, さらにアテロコラーゲンスキャフォールドを移植し, 対照群では何も移植せずに歯肉弁を復位縫合した-術後4, 8週目の組織標本を現在作製中であり, BMPコラーゲン群で対照群に比較して十分な骨再生が認められている.
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