2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィブリノゲン遺伝子多型は歯周炎発症の有力なリスクファクターになり得るか?
Project/Area Number |
19791607
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
両角 俊哉 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (20444151)
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Keywords | Bβフィブリノゲン / プロモーター領域 / 遺伝子多型 / IL-6 / 遺伝子機能解析 |
Research Abstract |
フィブリノゲン(血液凝固I因子)はIL-6の誘導により肝細胞において産生される急性期蛋白質であり、血液凝固・止血反応の最終段階において重要な機能を果たしている。フィブリノゲンは炎症状態では平常時の2〜10倍にも増加し、高/低濃度のフィブリノゲン分泌は過度の血栓形成や出血傾向をもたす。特に高濃度フィブリノゲンは炎症性サイトカインを増加させ、炎症部位に多くの白血球を引き寄せるため、冠状動脈性心疾患や脳梗塞に対する有意な独立した危険因子として知られている。また、近年、歯周病の発症・進行との関連も指摘されている。それら疾患の易罹病性や病型、発症の機序にはフィブリノゲンの遺伝子多型、とりわけBβ鎖における遺伝子多型が大きく関わっていると言われているが、そのメカニズムついては未だよくわかっていない。 Bβフィブリノゲン・プロモーター領域においては、現在までに6種類の遺伝子多型(-1420G/A, -993C/T, -854G/A, -455G/A, -249C/T, -148C/T)の存在が報告されているが、機能的役割を有する遺伝子多型の特定までには未だ至っていない。更にはその内4つの遺伝子多型から成る連鎖不均衡の存在がその関係を更に複雑にしている。そこで本研究において我々はこれまでに、統計学的に存在するナチュラル・ハプロタイプ4種類と、人工的ハプロタイプ4種類、計8種類のレポータープラスミドを作製した。そして、それらを肝癌細胞にトランスフェクションし、IL-6にて刺激後、ルシフェラーゼ・アッセイにより細胞内のレポーターの発現量を同時に測定することで、どのタイプ(どの遺伝子多型)がプロモーターとしての機能を有しているのか解析し、タイプ間における比較検討を行った。本年度は3回分のアッセイを行い、前年度分と合わせて計10回分の統計解析を行った。その結果、-1420G/Aと-148C/Tがサプレッサーとして、-854G/Aがエンハンサーとしての機能を有することが示唆された。
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