2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞の分化誘導シグナルとなる担体の研究
Project/Area Number |
19791613
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林田 浩一 Hiroshima University, 病院, 助教 (10437585)
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Keywords | 担体 / 歯周組織再生 / 幹細胞 / 細胞分化誘導 |
Research Abstract |
骨髄間葉糸幹細胞を移植することによる歯周組織再生療法か有用であることは既に明らかとなっているが、硬組織の再生に関しては改善べき点が残っていた。本研究の目的は、骨髄間葉糸幹細胞を用いて歯周組織再生を行う際に, より効率良く再生を誘導できる, シグナルの機能を有する担体を探索することである。平成19年度の研究成果によって、培養間葉糸幹細胞に対して、β-TCPは骨形成に関与する遺伝子発現を促進する事を明らかにした。よって本年度は、実験動物を用いて, 歯周組織再生により有用であるかを検討した。実験動物は雌性ビーグル犬とし、下顎臼歯の根分岐部にセメント質・歯周靭帯を含めた3級の歯槽骨欠損を作成した。その後、アルジネート印象財を填入し、炎症を惹起させる。その後、間葉系幹細胞・アテロコラーゲン複合体に加えてβ-TCPを移植した群と複合体のみの移植およびβ-TCPのみ填入した群を作成し、経時的に比較検討した。その結果、複合体とβ-TCPを併用した群では、歯槽骨骨頂が根分岐部まで到達するのは、複合体のみの群と比較して有意に早かった。これは、β-TCPの併用が、骨の形成に有利であったと推察できる。また、β-TCPのみ填入した群では、ほとんどの個体でアンキローシスが認められた。以上のことから、β-TCPのみの使用では、アンキローシスを誘発しやすくなり、やはり、骨髄間葉系幹細胞との併用が歯周組織再生により有用であることを明らかにできたと言える。
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