2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791617
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
迫田 賢二 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70419654)
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Keywords | 歯周病学 / 生活習慣病 / 生理活性 |
Research Abstract |
本研究では、ヒト歯肉由来の線維芽細胞のin vitro培養系に、炎症性サイトカインのーつであるIL-1αを作用させて実験的炎症状態にし、歯肉線維芽細胞に対するアディポネクチンの影響を検討する。 平成19年度は次のような結果を得た。まず、ヒト歯肉線維芽細胞におけるアディポネクチンレセプターであるAdiopo R1、 Adipo R2の発現についてであるが、RT-PCR法にて検索した結果、両レセプターとも発現が確認された。実際の歯周組織でのレセプター発現については組織標本を作成し、平成20年度に検討する予定である。次に、IL-1αで惹起されたIL-6、IL-8、MCP-1産生についてアディポネクチンの影響をELISA法にて評価を行った。その結果、アディポネクチンの濃度依存的にIL-6、IL-8、MCP-1産生は増加もしくは有意な変化はみられないという結果であった。このことは、アディポネクチンによって炎症が抑制されるという予想に反する結果である。しかしながら、ゼラチンザイモグラフィーによりタンパク質分解酵素であるMMP-2、MMP-9活性を検討した結果、アディポネクチン濃度依存的に活性を抑制していることが示唆された。また、今後はNF-κB、AP-1の両シグナル伝達経路が活性化されたか否かについても検討する予定であり、平成19年度はそのためのレポーターアッセイ系を確立した。平成20年度では、このレポーターアッセイ系を利用し、実験的炎症状態にある歯肉線維芽細胞に対するアディポネクチンの影響を詳細に解析していく予定である。
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