2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジンE受容体作用薬を用いた歯周炎進行抑制のための薬物応用
Project/Area Number |
19791621
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
滝口 尚 Showa University, 歯学部, 助教 (60317576)
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Keywords | 重度慢性歯周炎 / 侵襲性歯周炎 / モノサイトマクロファーシ / EP受容体 |
Research Abstract |
歯周病の分野において、宿主応答の制御による病態形成の抑制の試みは、炎症性サイトカイン受容体拮抗薬(可溶型IL-1受容体)あるいは骨吸収抑(bisphosphonate)、の動物における実験的歯周炎モデルへの投与で検討され、それらの抑制効果が明らかにされている。一方、本研究のターゲットであるPGE2の抗炎症効果をEP受容体作用薬を用いて各種炎症性疾患に応用するための基礎的研究は近年急速に進展しており、特にEP4アゴニストは骨粗鬆症患者に対する臨床試験の結果が待たれる状態である。しかし、EP受容体作用薬の歯周病治療薬としての可能性の検討は国内外において行われていない。そこで本年度はPGE2およびEP4アゴニストによる抗炎症作用の解析を計画した。現在までに以下の結果を得た。 1、歯周炎に罹患していない正常ヒト末梢血由来のモノサイト・マクロファージの分離採取を可能にし、CD68陽性細胞であることを免疫抗体法にて確認した。 2、採取した正常ヒト末梢血由来のモノサイト・マクロファージおよびTHP-1細胞由来マクロファージにおいて、LPS依存的なケモカイン産生に対してPGE2の作用を検討した結果、IL-8,MCP-1の産生が、PGE2添加により有意に抑制することが確認された。 今回の研究より、正常ヒト末梢血由来のモノサイト・マクロファージは、LPS依存的にケモカイン産生を増加させ、その作用はPGE2により制御されていることが確認された。今後はこのPGE2の作用が、どのEP受容体に作用するのか、またCOX2PKA依存的な作用なのかを検討する。
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