2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯肉上皮細胞からの抗菌ペプチド産生にタバコ煙物質が与える影響について
Project/Area Number |
19791627
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 潤一郎 Aichi Gakuin University, 歯学部, 講師 (30350937)
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Keywords | 抗菌ペプチド / 歯周炎 / タバコ煙物質 / 歯周病関連細菌 / ヒト歯肉上皮細胞 / マウス歯肉上皮細胞 |
Research Abstract |
平成19年度においては、まず、はじめにヒト歯肉より上皮細胞を単離することから開始した。しかし、線維芽細胞の混入など単離作業に困難性が認められたため、単離方法の検討と並行してマウス歯肉上皮細胞を用いて実験を行った。マウス上皮細胞に対しE.coli LPSを100ng/ml,1μg/mlの濃度で24時間作用させ、mRNAを抽出した。マウスβ-defensin1、3に対するプライマーを用いたRT-PCRにより、それらの遺伝子発現を調べたところ、両方の遺伝子ともに、E.coli LPS濃度依存的に発現の増加が確認された。細胞培養培地中にタバコ煙物質を加えた時の抗菌ペプチドの発現については、現在、タバコ煙を回収し、細胞培養用培地中にタバコ煙物質を溶解させる装置を作成中で、装置が完成次第、実験を行う予定である。 また、研究代表者は、喫煙が歯周病や口腔の疾患に与える影響についての基礎研究だけでなく、社会学的手法を用いた調査・研究にも積極的に参画することで、禁煙支援活動に取り組んだ。歯学部学生を対象として、社会的ニコチン依存度調査票により喫煙に対する意識調査を行い、食習慣や主観的ストレス源認知との関係を調べた。また、喫煙講義の受講による意識の変化についても調査した。その結果、喫煙者は非喫煙者より有意に社会的ニコチン依存度が高く、摂食規律性、主食摂取という基本的食習慣が定着していないことが明らかとなった。また、禁煙講義により、社会的ニコチン依存度は喫煙者、非喫煙者ともに低下し、講義から2か月後には喫煙者数も128名中10名から、125名中2名に減少した。早期の禁煙教育により喫煙に対する意識の改善や禁煙が促進される可能性が示唆された。
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