2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791630
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 温 Tohoku University, 病院, 助教 (50333828)
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Keywords | カルバマゼピン / 骨減少症 / 骨代謝 / 骨密度 / てんかん / フェニトイン |
Research Abstract |
昨年度の検討により、抗てんかん薬カルバマゼピンの慢性投与は骨減少症を引き起こすのではなく骨量増加作用を有することが明らかになったことから、今年度は、すでにその慢性投与により骨減少症を引き起こすことが明らかになっている抗てんかん薬フェニトインとカルバマゼピンとの併用投与で、フェニトインのもつ骨減少作用を抑制できるのか否かについて検討を行った。フェニトインは20mg/kg、カルバマゼピンは25mg/kgならびに50mg/kgの用量で投与した。投与量は昨年度の検討より骨量増加作用を有し、かつ成長曲線に影響のない用量をもって決定した。これらの薬物は0.5%tween80溶液に用事にsuspendして用い、投与は一日一回背部皮下注射にて行い、餌と水は自由摂取とした。投与期間は離乳直後の4週齢(体重75g程度)から5週間にわたり行い成長期終了後である9週齢(体重220〜230g程度)をもって飼育終了とした。成長期終了後に過剰麻酔下で致死させた後、脛骨を摘出し近位骨梁骨における骨密度の評価を行った。その結果、フェニトインの作用による骨密度の減少は7%程度認められたが、カルバマゼピンを併用することでフェニトイン誘発性骨減少症の発症は抑制される傾向を示した。また、各群における成長曲線に有意な違いを認めなかった。これら知見は多剤併用投与が珍しくない難治性てんかん治療において、骨代謝改善薬を併用することなく抗てんかん薬のみで骨量減少を抑制できる可能性について検討するための有用な情報となるものである。
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