2008 Fiscal Year Annual Research Report
初期齲蝕に対するエナメル質再構築法の開発の為の基盤研究
Project/Area Number |
19791637
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福本 恵美子 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10264251)
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Keywords | エナメル芽細胞 / 発生・分化 / 歯学 |
Research Abstract |
エナメル芽細胞の成熟期過程に重要と考えられる分子の包括的なスクリーニングを行ない、その分子機能を明らかにすること、そして既に成熟期に強い発現を示すことが明らかなAnxa2の分子機能を明らかにすることを目的とし、Anxa2とLAMP2分子との相互作用・Anxa2の細胞内におけるエナメルマトリックスとの相互作用・Anxa2の細胞内におけるエナメルマトリックスとの相互作用の検討をおこなった。 マウス下顎骨をパラフィン包埋した薄切切片を用いて、Anxa2とLAMP1、LAMP2、エナメリンを重複蛍光染色しその局在を調べた結果、Anxa2とLAMP2でエナメル芽細胞分化の成熟期において同様の局在が認められ、LAMP1とエナメリンで分泌期・成熟期前期で同様の局在が認められた。また、エナメリンでコートした培養ディッシュ上に歯原性上皮細胞とAnxa2過剰発現細胞を撒き、Anxa2で免疫沈降し、LAMP1、LAMP2タンパク発現を調べた結果、LAMP1、LAMP2、両方のタンパクの発現が認められた。LAMP1はAnxa2を過剰発現細胞ではAnxa2と結合しているLAMP1の発現が減少し、LAMP2は歯原性上皮細胞とAnxa2過剰発現細胞の両方でエナメリン上で培養した細胞のほうがAnxa2と結合しているLAMP2の発現が減少した。これらのことから、Anxa2とエナメリンはそれぞれ、LAMP1、LAMP2とAnxa2との結合に抑制的に働いていることが予測された。 これらの結果を基に、Anxa2とLAMP1、LAMP2、エナメリンなどがエナメル質の構築に実際にどのように作用するかを検討し、将来的には実質欠損を伴うエナメル質齲蝕におけるエナメル質の再構築(再生)法の開発へと繋げたい。
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