2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791643
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
岩田 幸子 Asahi University, 歯学部, 助教 (60319126)
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Keywords | 授乳 / 母乳 / 哺乳ビン / 卒乳 / 社会的支援 |
Research Abstract |
乳歯う蝕予防に繋がる卒乳の支援策を探る目的で、行政における離乳支援(指導)の実態を調査した。 調査対象は、全国保健センター連合会に入会している保健センターならびに中核市保健所の618件である。アンケートは、職種による違いも検討するため、保健師、栄養士、歯科衛生士の3職種、各3名(可能な限り)に依頼した。返信のあった施設は422件(回収率68.2%)、アンケート回答者は保健師1,139名、栄養士796名、歯科衛生士590名の計2525名である。 その結果、離乳完了時期を指導している割合は、母乳の場合が69.2%を示し、指導状況に職種間の差はなかった。哺乳ビンは87.2%を示し、職種間に差を認め、栄養士が指導しない割合が若干高かった(16.8%)。 離乳完了時期を指導している者が指導の際に考慮している点は、母乳の場合、保健師が栄養面(36.1%)とう蝕予防(21.8%)、栄養士が栄養面(57.7%)と咀嚼発達面(8.9%)、歯科衛生士がう蝕予防(67.3%)と咀嚼発達面(14.4%)であった。また哺乳ビンの場合、保健師はう蝕予防(49.9%)と栄養面(23.0%)、栄養士は栄養面(407%)とう蝕予防(23.8%)、歯科衛生士はう蝕予防(76.2%)と咀嚼発達面(14.4%)を考慮して指導を行っており、母乳に比べ哺乳ビンの方が、う蝕予防を重視して指導が行われていた。また上記のように、どちらの授乳方法も職種間で考慮点は異なるが、保健師は栄養士ならびに歯科衛生士の考えを持ち合わせて指導していることが示唆された。一方、離乳完了を指導していない者は、母乳の場合、すべての職種で約40%以上が母子のスキンシップを重視しているからであった。哺乳ビンの場合、保健師が身体的発達面(22.6%)、栄養士が栄養面(35.5%)、歯科衛生士が母子のスキンシップ(20.3%)を理由にあげ、職種間で違いがみられた。また勤務形態が非常勤(30.7%)の場合、常勤に比べ、離乳指導についての話合いの機会が少なく、同職種や多職種との間に離乳の指導方法に違いを感じていた。 以上より、離乳支援には、職種間や勤務形態の異なる者の間での見解の統一が必要であると示唆された。
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