2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19791643
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
岩田 幸子 朝日大学, 歯学部, 助教 (60319126)
|
Keywords | 授乳 / 母乳 / 哺乳ビン / 卒乳 / 社会的支援 |
Research Abstract |
乳歯う蝕予防に繋がる卒乳の支援策を探る目的で、行政における離乳支援(指導)の実態を調査した。調査対象は、全国保健センター連合会に入会している保健センターならびに中核市保健所の618件である。アンケートは、職種による違いも検討するため、保健師、栄養士、歯科衛生士の3職種、各3名(可能な限り)に依頼した。返信のあった施設は422件(回収率68.2%)、アンケート回答者は保健師1,139名、栄養士796名、歯科衛生士590名の計2525名である。 昨年、職種間や勤務形態による比較を行い、母乳・哺乳ビンの両授乳方法も職種間で離乳指導の際の考慮点が異なっており、また、非常勤は、常勤に比べ、離乳指導についての話合いの機会が少なく、同職種や多職種との間に離乳の指導方法に違いを感じていることを報告した。 保健センターに勤務する歯科衛生士は、非常勤者が多く、見解の統一性が図りにくい職種である。そこで、本年度は、歯科衛生士の歯科保健活動に重点をおき、離乳指導との関連性を検討した。 その結果、母乳・哺乳ビンの両授乳方法とも、離乳指導を実施している者は、統計的有意に、仕上げ磨きの方法を指導している者が多く、また、フッ化物歯面塗布を受けるように指導している者も多く認められた。また、離乳指導の際に、むし歯予防を考慮して指導している者ほど、仕上げ磨きを指導していた。 以上より、保健センターにおいて離乳指導を実施している者は、歯磨きやフッ化物の応用などの齲蝕予防の指導も行っていることが示された。つまり、その一方で、離乳指導を行っていない者は、齲蝕予防の実施にも消極的であることが確認された。授乳すなわち授乳を取り巻く環境が齲蝕リスクの一因であることは、すでに多く報告されている。離乳指導を行わない場合、その他の齲蝕予防を積極的に行う必要性があると思われた。
|