2008 Fiscal Year Annual Research Report
中学生の精神的負担感による心身症状の現状調査とそのサポートシステムの構築
Project/Area Number |
19791648
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
佐々木 百恵 University of Fukui, 医学部, 助教 (00422668)
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Keywords | 中学生 / ストレス / 心身症状 / サポート |
Research Abstract |
本研究では, 中学生を対象とした調査を行い, 精神的負担感による心身症状とその要因, 中学生が必要としている援助方法を明確にする。さらに, サポートを提供する側と受ける側の両方の視点からサポート体制の現状を把握し, 心身共に健全な子ども達の育成を助けるサポートシステムを構築することを目的とし研究を推進している。平成20年度はこれまでの文献検討の結果を基に, 中学生のストレスと影響因子を把握するための尺度について情報を収集し, Public Health Research Foundation Type Stress Inventory : PSIを使用することにした。 PSIには, 小学生用, 中学生用, 高校生用の3種類があり, 子どもの心の健康状態を測定する上で, 一定の信頼性や妥当性を有する尺度である。これは, 子どものストレス反応, ストレス反応を引き起こす大きな原因の一つと考えられるストレッサー, ストレス緩和要因としてよく知られているソーシャル・サポートを測定するための3つの下位尺度で構成されている。この尺度を用いることで, サポートシステムの構築に向けての基礎資料作成の基盤となると考えた。それはこの尺度の特徴として, (1)中学生用として作成されていること(2)本研究で明らかにしたい心身症状とその要因, ソーシャル・サポートについて簡便に測定できること(3)PSIの目的が,心理的に問題を抱えている子どもへの適切な対応やさまざまな問題行動への対策を考案するための手がかりを提供すること(坂野ら, 2007)の3つの理由からである. この尺度に加え, 日常行動, 疲労感, 精神的負担感などを把握できる調査票の検討を進めた。今後は調査の実施と精神的負担感による心身症状とその要因の関係性について検討し, 子ども達の育成を助けるサポートシステム構築に向けての基礎資料を作成する。
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