2007 Fiscal Year Annual Research Report
医療安全への患者参加による「患者の安全文化」の構築に関わる研究
Project/Area Number |
19791655
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
兒玉 慎平 Kagoshima University, 医学部, 講師 (80363612)
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Keywords | 安全文化 / 組織風土 / 患者安全 / 患者参加 / 医療安全管理 |
Research Abstract |
本年度は「医療従事者の安全文化」や「患者の安全文化」に関連する研究についての国内外の文献の分析を行い、患者側の視点を取り入れた「安全文化」の概念枠組みについて検討した。 SextonらのSafety Attitudes Questionnaire (SAQ)、 SingerらのPatient Safety Climate in Healthcare Organizations (PSCHO)、 Agency for Healthcare Research and Quality (AHRQ)のHospital Survey on Patient Safety Culture (HSPSC)を中心に検討した結果、「医療従事者の安全文化」は施設レベルと業務ユニットレベルのチームワーク風土・安全風土・管理体制と、職務満足度、ストレス認知、労働条件で構成されることが明らかとなった。また、軽微なインシデントの報告割合も安全文化の指標であり、安全管理者が捉える施設レベルの安全文化と軽微なインシデント報告に関係性があるという事前調査の結果と一致した。 また、HibbardらのDevelopment of the Patient Activation Measure (PAM)を中心に検討した結果、「患者の安全文化」は患者の役割の重要性の認識、安全行動に対する知識と自信、安全行動の実施、行動の維持のような段階的な形(Prochaskaらの行動変容段階に類似)で捉えられる可能性が示唆された。 現在はこれらの結果を元に、「医療従事者の安全文化」と「患者の安全文化」の尺度を作成中である。
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