2008 Fiscal Year Annual Research Report
医療安全への患者参加による「患者の安全文化」の構築に関わる研究
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19791655
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
兒玉 慎平 Kagoshima University, 医学部, 講師 (80363612)
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Keywords | 安全文化 / 組織風土 / 患者安全 / 患者参加 / 医療安全管理 |
Research Abstract |
患者安全を達成するために「安全文化」が重要な役割を担うことは広く知られており、1999年のIOM(Institute of Medicine)報告書 "To Err Is Human" の中で既に取り上げられ、わが国においても、2001年に厚生労働省が策定した「安全な医療を提供するための10の要点」で「安全文化」の重要性が謳われている。また医療の質向上のために患者の積極的参加が大きな位置を占めることはよく知られていることであり、安全を目的とした参加の姿勢、すなわち「患者の安全文化」は、「医療従事者の安全文化」と相互に影響しあい、また患者自身の安全管理活動への参加の背景要因となることで、患者安全に重要な役割を果たしていると考えられる。 そこで本研究では、昨年度の国内外の文献検討の結果から、「医療従事者の安全文化」についてはAgency for Healthcare Research and Quality(AHRQ)のHospital Survey on Patient Safety Culture(HSPSC)を参考に、また「患者の安全文化」についてはHibbardらのDevelopment of the Patient Activation Measure(PAM)の患者の活動性に対する認知の項目を参考にして調査票を作成し、財団法人日本医療機能評価機構の認定病院の看護師を対象に、郵送法による質問紙調査を実施した。その結果、オープンなコミュニケーション、フィードバックとエラー・コミュニケーション、情報伝達、管理者サポート、エラーへの非懲罰的環境、職員配置、管理者の姿勢、病棟間チームワーク、病棟内チームワークなどの「医療従事者の安全文化」と看護師が認識する「患者の安全文化」の関係が明らかとなった。
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