2008 Fiscal Year Annual Research Report
看護実践能力の育成に関する体験型学習の要因分析と活用-身体侵襲を伴う技術教育から
Project/Area Number |
19791658
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
野中 美穂 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 助教 (60404927)
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Keywords | 看護実践能力 / 体験型学習 / 身体侵襲 / 技術教育 / 看護教育学 / 看護学教育 / 体験学習 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は、身体侵襲を伴う看護技術の実地体験が看護実践能力の形成及び育成に関係するかどうかを検討することである。H20年度は、身体侵襲を伴う看護技術の体験学習効果と卒後の看護実践能力に関する調査を分析し、看護実践能力の育成に関係する要因と今後の課題を明らかにする。 【方法】(1)看護実践能力に関する調査 : 対象)胃管挿入の体験型学習を実施した看護師54名、看護学生時に身体侵襲を伴う看護技術の体験型学習を未実施の看護師14名。調査内容)身体侵襲を伴う看護技術の体験型学習が実践の場で役に立つと思うか否か、看護学教育に必要と思うか否か(2)オーストラリアの看護基礎教育と臨床現場の視察調査 【結果・考察】体験型学習の実施者54件については、回収数30件、未回収24件、回収率55.6%であった。体験型学習の未実施者14件については、回収数11件、未回収3件、非該当2件、回収率78。6%であった。 身体侵襲を伴う看護技術の体験型学習の実地体験と看護実践能力の関係について分析した結果、身体侵襲を伴う看護技術の体験型学習の実施者は、卒後も援助的人間関係の形成に関する学びの修得が看護師生活に大きく影響していることが示唆された。それに比して、体験型学習の未実施者は、体験型学習は看護師としての実践の場に役立ち、看護基礎教育に必要と考えていたが、その理由には、知識・技術の修得や就職後の不安の軽減などの看護師としての立場に対する期待があることが明らかになった。本研究結果は、体験型学習の実施者に対する比較対象者数が限られた数での検討であったので、研究を継続し体験型学習の大学教育への具体的な活用方法を明らかにしていく必要がある。 オーストラリアの看護基礎教育と臨床現場の教育体制については、看護実践力の向上に看護基礎教育機関と臨床現場が協力している現状が明らかになったので、日本への活用方法を今後も検討していく。
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