2008 Fiscal Year Annual Research Report
医師と看護師の協働が医療の質指標へ及ぼす影響と協働に関連する要因
Project/Area Number |
19791667
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
宇城 令 Jichi Medical University, 看護学部, 講師 (40438619)
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Keywords | チーム医療 / 協働 / コミュニケーション / 医療の質 / 医療安全 / 患者満足 / 尺度 / 多職種 |
Research Abstract |
本研究の目的は、医師と看護師の協働と医療の質指標との関連およびこの協働に関連する要因を検討し、協働的な組織づくりを考案することである。平成20年度は、前年度に行った医療の質指標の選出および分類した結果を用いて調査モデルの検討を行った。その結果、医療の質指標として採用したものは、患者・家族側の指標として患者満足、医療者側の指標として医師および看護師のストレス、職務満足度、インシデント、組織側の指標には患者・家族および医師と看護師の指標とした。また、医師と看護師の協働に関連する要因は、人員配置、忙しさ、コミュニケーションの機会、職種問の関係性等および個人的属性を用いた。 これらの変数を使用し平成21年1月〜3月に自己記入式質問紙による配票留め置き法を実施した。対象は関東地方を中心とし、病床数200床前後以上の病院について便宜的に96施設を選出した。そのうち41病院より研究協力への了承を得た。さらに、各病院へ医師、看護師、患者、看護師長を含む病棟ごとの研究協力が可能な病棟について調査を実施した(協力病棟数138病棟)。その結果、医師429名(回収率71.7%)、看護師1570名(回収率85.0%)、患者988名(回収率84.3%)、看護師長136名より回答を得た。 全体として医師と看護師の協働とインシデントおよび看護師のストレスには関連が認められる傾向にあった。また、両者の協働には両者のコミュニケーションの機会、忙しさ等と関連が認められる傾向であった。 より協働的な組織をつくるためには、医師と看護師がより効果的・効率的なコミュニケーション等が可能になるしくみが必要であると示唆された。
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