2007 Fiscal Year Annual Research Report
夜勤への適応を促進するための看護基礎教育課程におけるプログラムの検討
Project/Area Number |
19791668
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平田 香織 Kitasato University, 看護学部, 助手 (30406904)
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Keywords | 夜勤 / 適応 / 看護基礎教育 / プログラム |
Research Abstract |
研究1年目となる今年度は、図書や文献から夜間の看護に含まれる要素を抽出することが目的であった。 看護基礎教育課程の主要なテキストでは、夜間の看護という観点から記載された部分は見当たらなかった。しかし、「睡眠を促進するための技術」「安楽を確保するための技術」「安全を確保するための技術」というように、看護技術の各項目の中で、夜間の看護を意識した記述がされていた。医学中央雑誌による検索によると、夜間の看護に関連した文献では、「患者の安全・睡眠」「看護師の心身の問題・勤務体制」を焦点としていた。 以上より、夜間の看護において中心となる焦点は「患者が安全・安楽で安眠を得られること」「看護師が自らの休息と睡眠を十分にとり、万全の態勢でケアに臨むこと」であった。そのため、夜間の看護ケアは、安全・安楽・安眠を目的としたケアであるといえた。 その他、新人看護師を対象とした図書では、夜勤を業務の視点から解説しHOW TOについて記述したり、緊急時のドクターコールに必要な看護判断について説明したりと、すぐに活用できるマニュアル的な内容であった。一方、ナイチンゲールは著書である'看護覚え書き'の中で夜気や眠りを妨げない環境づくりといった「看護者の基本となる振る舞い」について記述しており、患者の手記では昼間に表れない「夜の患者の心理」が浮き彫りにされていた。 これらのことより、文献やテキストに記載される内容の背景には、文章に表現されていない夜間の看護に関連した本質的な要素が埋もれている可能性があると考えた。それは、現場で働く各々の看護師が抱えているにもかかわらず図書や文献という形式で表現されていないことを推測させた。看護基礎教育課程で実施する学習内容とするためには、業務としての夜勤ではなく、患者および看護師にとって夜間の看護がどのように意味をもつのかといった本質に迫る必要があることがわかった。
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