2007 Fiscal Year Annual Research Report
看護技術によって生じる主観的快と自律神経活動の関連
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19791670
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
江上 京里 Tokyo Women's Medical University, 看護学部, 助教 (70385467)
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Keywords | 温罨法 / 自律神経 / 快 |
Research Abstract |
本研究は、看護技術によって生じる主観的快と自律神経活動の関連を明らかにするものである。本年度は、大きく以下の内容で研究を進めた。 1.自身の研究知見を看護技術学会で発表し、学会参加者から多くの意見を得た。表面皮膚温(平均皮膚温)は、これまで7点法で実施してきたが、背部の皮膚温の測定も加えて8点法のほうが適切であるということ、研究の対象者は性別を考慮してマッチングもしくはどちらかに統一する必要があることの示唆を得た。 2.聖路加看護大学基礎看護学研究会、Biobehavioral nursing研究会、温罨法研究会に参加し、現在の看護学の研究の動向を見極め、看護技術のevidenceを明らかにする研究に携わる研究者と互いの研究の意見を交わした。温罨法に関する研究では、某企業が開発した温熱(湿熱)シートを使用した実験研究が多く実施され、生理痛の緩和、排尿・排便を調節する効果が示されてきている。 3.「温罨法」について統合的文献検討を実施した。結果、「温罨法」の「効果」は、腰部温罨法の"排便・排ガスの促進"、下肢温罨法の"静脈潰瘍の改善"が明らかになっており、温めた局所以外にも末梢部位への温熱効果として"血流改善""皮膚温上昇"が示された。「方法」は、実施部位は様々であるが、部位毎に狙う効果はほぼ同一であった。「今後の課題」として、"気もちいい"という主観的な快についての尺度を用いた測定が行われた研究がほとんどなく、自律神経活動への効果との関連がまだ明らかになっていないこと、そして生理学的な指標が多く、生活行動から効果をとらえた研究がないことがあげられ、本研究の重要性が改めて示された。結果については次年度に学会誌に投稿する予定である。 4.今回初めて使用する皮膚温測定機器を購入後、研究者自身の操作手順の確認としてプレテストを実施中である。
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Research Products
(2 results)