2009 Fiscal Year Annual Research Report
患者情報の収集のあり方に関する研究―自己情報コントロール権に関する尺度開発―
Project/Area Number |
19791671
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
夏目 美貴子 Chubu University, 看護実習センター, 助手 (60434578)
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Keywords | 情報プライバシー / 看護基礎教育 / 個人情報保護 |
Research Abstract |
平成21年度に行った、患者が医療従事者に患者自身の情報を提供する際の抵抗感と、それに関連する要因に関する質問紙調査を行った結果、多くの患者は医療者が患者の情報を共有することに抵抗感が少なく、情報共有は医療のために必要と考えている現状が明らかになった。この結果に関し学会発表しさらに現在論文投稿中である。このような現状を考えると、患者の情報プライバシーに配慮して情報の収集、共有ができる倫理観をもった看護職の育成が急務であると思われた。そこで、全国の看護系大学180校に対して、シラバスの提供を依頼し、情報プライバシーについて、どのような教育がされているかを調査した。129校のシラバスを入手し、必要な検索ができなかったもの除き101校を分析対象とした。授業内容に「情報プライバシー」という記載がある大学は存在しなかった。情報プライバシーを含む可能性ある内容として、「情報倫理」「個人情報の保護」「個人情報保護法」「プライバシー」などがあり、これらの内容については45校に記載があったが、このうち37校(36.6%)で情報プライバシーについて教育されている可能性が示された。科目名は看護情報学が14校と一番多かった。選択科目が15、必修科目が19、対象学年は2年次が16校であった。情報プライバシーが、科目の授業内容の主たるテーマにはなっていない現状が明らかになった。また、他のテーマとの関連で教育されている可能性のある大学は約3分の1にすぎず、その科目も選択科目のものが多いことから、多くの看護学生は情報プライバシーについて教育されていない現状が伺えた。今後、教育の実態について具体的に調査を進めていきたい。
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