2008 Fiscal Year Annual Research Report
入院患者の安眠確保および見落としのない観察のための照明色の探索
Project/Area Number |
19791672
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山幡 朗子 Aichi Medical University, 看護学部, 助教 (40440755)
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Keywords | 安眠 / 照明 / 観察 / 看護学 |
Research Abstract |
夜間巡回時, 看護師の用いる照明が刺激となって患者が覚醒してしまう場合がある。本研究の目的は、閉眼しているヒトにとって刺激が少ない照明色を探索することで、患者の休息・安眠確保のための照明光を実現することである。照明色を決定づける3原色および混色を刺激とした視覚誘発電位(visual evoked potential : VEP)を測定し、閉眼しているヒトに対する影響を調べた。VEP測定には誘発電位検査装置Neuropack SI MEB-9402(日本光電, 東京)を用いた。サンプリング周波数を100Hzとし, Hum Filterを用いて, 右後頭部O_2におけるVEPを測定した。VEPは, 閉眼している被験者の顔面を0.5Hzで120回照射し加算平均して算出し, 振幅はN_1-P_2の差とした。光源には液晶プロジェクタEMP-X5(EPSON, 東京)を用いた。VRPの振幅に対しては標準化を行って個人差の影響を排除し, 解析にはSPSS16.0J for Windowsを用いて, 各色における照度と振幅の相関関係を, また各色の単位照度あたりの振幅をWilcowonの符号待き順位検定により比較した。VEPの振幅は, 3原色すべてで照度と正の相関関係がみられた。単位照度あたりの振幅は, 緑が一番小さく次いで赤, 青の順であった(p<0.05)。本研究では, 閉眼しているヒトに対する影響を調べるためにVEPを用いた。VEPの振幅は, 照度との正の相関関係がみられたことから, 3原色の強度(照度)の変化によるヒトへの影響をVEPで評価し得ることが確認できた。また, 単位照度あたりの振幅は緑が最も小さかったことから, 3原色のうち閉眼しているヒトにとって刺激が少ないのは, 緑色であることが確認できた。本研究を参考に, 混色によるヒトへの影響を調査してヒトへの刺激が少なく, かっ観察力を落とさない照明色の探索に努める予定である。
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