2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19791677
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Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
高橋 悦子 Yokkaichi Nursing and Medical Care University, 看護学部, 助教 (00435554)
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Keywords | 看護学 / 看護ケアの / タイムスタディ |
Research Abstract |
本研究は、看護ケアの具体的な内容やケア提供に影響を与える要因を明らかにすることを目的としている。具体的には、ヒアリング及び業務観察調査から看護ケアの全体像について解明し、看護師の特性や職場環境が看護ケアにいかに影響を与えているのかを実証的に検討する。 タイムスタディの結果、以下の点が明らかになった。一日の看護ケアのスケジューリングや電子カルテ等の各種記録ツールの使用には一定のパターンがあり、職位や経験など看護師特性により効率的な活用パターンが異なる。看護師は当日の担当業務に関わらず、ナースステーションを拠点に業務を遂行している。また、トラブル発生時は、看護師間の連携や迅速な情報共有によりスムーズに対応されており、特に、看護師のアセスメント能力、判断力の高さによりトラブル発生時もダメージを最小限に抑えるような対応を可能にしていると示唆された。 今日、病院において急速に普及している電子カルテを始めとした医療のIT化が看護ケアに与える影響は大きく、本調査でも、ITシステム導入により、患者のケア参加促進、医療の安全性向上、情報共有の迅速化など看護業務やケアの質向上へ寄与している点が指摘された。一方、看護師の専門的判断力を支える、アセスメント能力、クリティカルシンキングの育成にITシステムをいかに連動させるか、または、それらの能力をITシステムにいかに反映させるかが、今後の看護ケアの質の向上のキーとなることも調査により明らかになった。よって、ITシステムの利点を活用した看護業務の再設計、ITシステムの有効活用を含めた継続教育システムの整備、職場風土とチームナーシングのさらなる発展についてさらに検討していくことが必要であると考える。
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Research Products
(1 results)