2008 Fiscal Year Annual Research Report
超・極低出生体重児の乳幼児期における育児支援プログラム開発のための介入研究
Project/Area Number |
19791685
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡光 基子 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (20285448)
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Keywords | 育児支援 / 母子相互作用 / 乳幼児 / 低出生体重児 / 介入研究 |
Research Abstract |
調査1 : 極低出生体重で出生した児とその母親に対する母子相互作用に着目した縦断的な介入研究を実施した。毎回の家庭訪問で母親の訴えに傾聴し、具体的な育児方法について支援を行ってきた。母親の児への対応で良い点を見出し褒めるように支援を実施した結果、徐々に母親は前向きな発言が聞かれるようになった。母子のニーズに対応できる乳幼児精神保健の実践が求められ、他職種との連携をすることで、社会的孤立にある母子を支援へとつなげていくことの必要性が明らかとなった。育児支援を行う上で母親とのパートナーシップを形成することの必要性が示唆された。 調査2 : 育児支援プログラム開発のための準備として、日本語版Nursing Child Assessment Feeding Scale(J-NCAFS)を開発し、信頼性検討をした。対象となった日本人母子の属性は以下に示す通りである。子どもの平均月齢は6.1か月(SD=3.5)であり、子どもの性別は男児105名(47.5%), 女児116名(52.5%), 子どもの平均出生時体重は3154.7g(SD=356.2)であった。母親の平均年齢は30.1歳(SD=4.9)で、母親の平均教育年数は13.9年(SD=2.1)であった。原版との比較の結果, J-NCAFSの平均総合得点とSDの方が小さく, 日本人母子におけるJ-NCAFSによる一貫性のある測定が示唆された。また, J-NCAFSの平均得点は対応する原版得点と有意な正の相関関係にあり(総合得点r=0.69-0.77, 下位尺度得点r=0.28-0.76), J-NCAFS内の総合得点と下位尺度得点間にも同様の関係が認められ(r=0.18-0.90), J-NCAFSの信頼性が示唆された。α係数(KR-20)は0.71-0.81であり, 内的整合性が示唆された。今後は、妥当性研究ならびに実践研究を進める必要がある。
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